モノマネメイクなどで知られるインフルエンサー「いよちゃん」(YouTube登録者約51万人)が、東京・日本橋茅場町の寿司店「鮨 不二楼」で撮影した約15秒のショート動画が、X上で大きな議論を呼んでいます。
動画ではカウンター内側に並んだ職人といよちゃんが、角皿に向かって貝を順番に打ちつけます。批判側は「食べ物で遊んでいる」「食欲失せる」と反応。擁護側は「赤貝やトリ貝を叩いて身を締め、コリコリ食感を出す一般的な技術」と指摘し、賛否が真っ二つに割れています。
【話題の動画】
いよちゃん「鮨 不二楼」(YouTubeショート/2026年8月25日公開)
https://www.youtube.com/shorts/Ykty8mtGmZY
何が映っていたのか
舞台は茅場町駅徒歩圏の4階建て複合店「不二楼」3階にある「鮨 不二楼」。鮮度と熟成・発酵を組み合わせた「新江戸前鮨」を掲げ、基本は会員・紹介制の店です。大将は古川和希さん。動画にせりふはなくBGMのみで、白い料理着の3人が貝を皿に叩きつける動作が繰り返されます。
8月25日にYouTubeショート、Instagram、TikTokへ投稿され、27日にXで「食欲失せる」との指摘が拡散。ユーチュラによると、関連投稿の表示は970万回を超える規模に達しました。
「食欲失せる」「普通にやってる技術」
— ユーチュラ-YouTubeランキング (@ytranking) August 28, 2026
いよちゃんが寿司店で撮った動画に反応二分
▼記事
https://yutura.net/news/archives/163425
・モノマネメイクなどで知られるインフルエンサーのいよちゃんが、寿司店のカウンター内で貝を皿に打ちつける動画を公開
・「食欲失せる」「食べ物で遊んでいる」といった批判に対し、「普通にやってる技術」と擁護の声も
批判側「これは食欲失せる」
火付け役になったのが、Xユーザーᴛ ᴇ ɴさん(@hiyokopyonn)の投稿です。「悪くはないお鮨屋さんなのにこれ見た瞬間にめちゃくちゃ萎えた」「iyoちゃんにも悪いイメージないけど申し訳ないけどこれは食欲失せる」「どうしてこんなことするの」と書き、動画を添えています。この投稿は1300万表示超、いいね約4500件と大きく伸びました。
鮨 不二楼 悪くはないお鮨屋さんなのにこれ見た瞬間にめちゃくちゃ萎えた😭😭iyoちゃんにも悪いイメージないけど申し訳ないけどこれは食欲失せる😭
— ᴛ ᴇ ɴ (@hiyokopyonn) August 27, 2026
どうしてこんなことするの😔
YouTube側のコメントにも「食べ物で遊ぶなぁ」「食材がかわいそう」「やりたいことは分かるけど遊ぶなよ」といった声が並びます。見た目のインパクトが強く、説明がない15秒だと「パフォーマンス」「乱雑に扱っている」と受け取られやすい、というのが批判の核です。
投稿者本人はその後、「今見たら動画消えてた。このプロモーション動画が不二楼にプラスになるとは到底思えない。悪い噂も全くなくむしろ良いお鮨屋さんだったから残念」と追記しています。店そのものへの評価と、映像の印象が切り離されている点が、今回の議論の特徴です。
擁護側「叩くのは普通の技術」
一方で、動作自体は寿司の仕込みとして知られる、という指摘も少なくありません。赤貝やトリ貝、ミルガイなどは生きた状態で扱い、叩く・打つことで身が締まり、反ってコリコリした食感になる。寿司店の裏側動画でも「赤貝を叩く理由」として繰り返し説明されている工程です。
「生の貝は叩きつけることで身を締める。普通にやってる技術」「貝は叩くとコリッとする」との投稿が擁護側の代表例です。「叩くのは普通。あ、貝を叩くってことね。いよちゃんを使うからあかんのよ」と、技術そのものより“誰が・どう見せたか”が問題だとする見方もあります。
つまり争点は「叩くこと自体が非常識か」ではなく、「説明なしのショート動画として切り出した結果、技術が“遊び”に見えたかどうか」に移っています。
すしログ・大谷悠也氏「赤信号」
議論を一段深くしたのが、鮨コンサルタントですしログを運営する大谷悠也氏(@sushilog01)の引用投稿です。批判投稿を引用したうえで、こう書いています。
マジレスすると…
— すしログ®食の変態 (@sushilog01) August 27, 2026
食べ物で遊ぶ(乱雑に扱う)系のお店には、他にも絶対にリスクがあるので黄色信号ではなく赤信号です。経験則でかなり危険。
味に無関係なパフォーマンスをしているお店には美味しさを求める人は行っちゃダメだからな〜!
微妙な体験で貴重な一食を損するぞ…
この投稿は260万表示超、いいね約7500件。大谷氏の論点は「貝叩き=悪」ではなく、味と無関係に見えるパフォーマンス店には別のリスクがつきものだという経験則です。高額な一食を「演出」で消費したくない層には強く刺さり、寿司店のエンタメ性と伝統のバランスを問う声が広がりました。
一方で「技術の見せ方までエンタメ禁止にするのは狭い」「裏側を見せる動画はむしろ普及になる」という反論も出ています。会員制・紹介制の店がインフルエンサーと組むこと自体が、客層と期待値のズレを生んだ、という指摘です。
店の実態と、映像が生んだギャップ
「鮨 不二楼」は日本橋茅場町2-9-12 美和ビル3F。1階焼鳥、2階会席、3階鮨、4階BARの複合店です。食べログやヒトサラでは熟成鮪や肴を評価する口コミが多く、今回の発端投稿ですら「悪くはない店」と前置きしていました。
つまり炎上の中心は味の酷評ではなく、15秒の見せ方です。技術動画なら「なぜ叩くのか」を一言入れれば印象は変わる。逆にBGM付きでリズムよく打ちつけると、知らない視聴者には「食材で遊んでいる」絵面になる。ショート動画の文法と、寿司職人の仕込みの文法が衝突した形です。
賛否が分かれる本当の理由
賛否両論がこれほど割れた背景は、次の3点に整理できます。
1. 情報量の不足
無言の15秒では「仕込み」か「パフォーマンス」か判別できない。知っている人は技術、知らない人は遊びと読む。
2. 期待値の差
紹介制の熟成鮨に「丁寧さ」「敬意」を求める層と、エンタメとしての裏側動画を楽しむ層が同じタイムラインに乗った。
3. 店とインフルエンサーの組み合わせ
いよちゃん本人への印象は悪くない、店の評判も悪くない、それでも映像だけが一人歩きする。プロモーションが店のプラスになるとは限らない、という後追い投稿が出たのはそのためです。
「日本一接客が悪い」を売りにする店や、「小汚い中華がうまい」といった別系統の店 comparisionも同時に流れ、食のエンタメ化そのものを quantize する議論に広がっています。ただ不二楼の本件は、接客コンセプトの炎上ではなく、調理動作の切り取り方の問題です。
まとめ
貝を叩く行為自体は、寿司の世界では珍しいものではありません。身を締め、食感と見た目を整える工程として複数の職人が動画でも説明しています。同時に、説明を省いたショートは「食べ物で遊んでいる」印象を与えやすく、高級店ほどそのリスクは大きくなります。
いよちゃんの動画は、技術の可視化と食欲を削ぐ演出が紙一重であることを示した事例です。店側・投稿者側に公式の詳細説明は本稿執筆時点で確認できていません。視聴するなら、まず本人投稿の動画を見たうえで、「仕込み」と「見せ方」を分けて判断するのがよさそうです。
話題の動画(YouTube):https://www.youtube.com/shorts/Ykty8mtGmZY