1日放送の読売テレビ・日本テレビ系『情報ライブ ミヤネ屋』で、リモート出演した元神奈川県警捜査1課長・鳴海達之氏が、身体障害を指す差別的な古語を使いました。番組は「不適切な表現」とだけ言い、西尾桃アナと宮根誠司氏が謝罪。当該の語そのものには触れずに進行しました。
結論から書きます。Xとまとめサイト、Yahooコメントで特定されている具体的な表現は「かたわ」(片輪/片端)です。大手メディアは「身体が不自由な人・状態を指す放送禁止用語」とぼかしています。
何を、どの文脈で言ったのか
当該コーナーは山口県美祢市の老舗和菓子店で店主が殺害された事件の解説でした。妻は頭の骨を折るなどの重傷。鳴海氏は犯人側の狙いを推測する形で、頭部を狙われた妻について「普通の生活ができなくなる」という文脈で問題の語を使い、続けて「普通の生活ができなくなれば、犯人とすればそれでもいいんだろうと思って、頭を狙うのかもしれない」と述べたと報じられています。
オリコンは「身体が不自由な人・状態を指す放送禁止用語とされる言葉を発した上で」と書き、語そのものは出していません。ライブドアニュース公式は約871万表示まで伸び、「不適切表現」「放送禁止用語」とだけ見出しにしました。
【不適切表現】「ミヤネ屋」で放送禁止用語、宮根誠司とアナが謝罪
— ライブドアニュース (@livedoornews) September 1, 2026
老舗和菓子店で店主が殺害された事件を巡り、リモート出演していた元神奈川県警捜査1課長が、頭部を狙われた妻について「普通の生活ができなくなる」という文脈で放送禁止用語とされる言葉を発していた。
番組中盤、西尾アナが「先ほどの放送の中で、不適切な表現がありました。おわびいたします。大変失礼いたしました」と頭を下げ、宮根氏も「失礼いたしました」と続いた、と日刊スポーツが伝えています。
【動画】Xでは語が先に出た
報道が語を伏せる一方、Xの速報垢は最初から単語を書いています。復活のリプシファさん(@fuuuukatsu)の投稿は動画付きで「かたわ」発言と明記し、表示約4.6万。
【速報】ミヤネ屋で元神奈川県警捜査1課長の鳴海達之氏が放送禁止用語「かたわ」発言で宮根誠司と西尾桃アナが謝罪することに...
— 復活のリプシファ– (@fuuuukatsu) September 1, 2026
「かたわ」は古くは身体の一部が欠けている状態、その人を指す語です。戦前〜昭和の大衆語としては残っていましたが、障害者差別の文脈が強く、放送現場では昭和末期以降ほぼ使われなくなりました。令和の生放送で出たこと自体が、視聴者の一部には「何の言葉?」、別の一部には「今それを言うか」と割れています。
「放送禁止」は法律ではない、という反論
Xで目立つのは、謝罪そのものより用語規制の議論です。
「放送禁止用語」というのは存在せず、事実上は「放送自粛用語」。
— mividaloca (@Mividaloca1965) September 1, 2026
しかしどの語が何故いけないのかを伝えないとそれこそ報道自体が不自由で何の抑止力にもならない。
この整理は制度としては正しい側に近いです。日本に「放送禁止用語」を列挙した法律はありません。各局の放送基準・BPOの人権規定・視聴者対応で、差別・侮辱になりうる語を現場が自粛している、というのが実態です。だからこそ番組は単語を繰り返さず「不適切」で済ませ、ニュースも同じぼかし方をします。
一方で「どの語が、なぜ傷つくのかを言わないと抑止にならない」という指摘も、今回の拡散の形そのものが証明しています。伏せた公式ニュースの引用欄で、視聴者が語を書き足しているからです。
マジで終わってる
— サキガケ (@nihonpatriot) September 1, 2026
「ミヤネ屋」で放送禁止用語「不適切な表現」宮根誠司と進行女性アナが謝罪「失礼いたしました」
ながら見していて聞き流しちゃったんだけど、何か問題発言あったっけ?と。特に気になることは無かったんだが。
— ひま☆やん (@himayan_imagine) September 1, 2026
「聞き流した」「昭和では普通」「歳を取った人しか知らない」——世代差がそのまま賛否になっています。逆に、職場でこの語が口癖だった上司を思い出し「心がザワついた」と書く人もいます。同じ単語でも、障害や介護の現場に近い人ほど温度が違います。
comm 側と、過剰反応だとする側
局・批判側
生放送の解説者が、被害者の後遺症を説明するのに蔑称を使った。意図が「犯人の狙いの推測」でも、語の歴史は障害者を一段下に置く用法です。謝罪して切り替えるのは情報番組の標準対応です。
過剰反応だとする側
法律違反ではない。犯人像の説明として「日常生活が困難になる障害を残す」という意味で使っただけで、特定個人を罵ったわけではない。単語を隠す報道のほうが不自由だ。
両方とも今回の材料だけでは切れません。鳴海氏が常用しているのか、言い淀みなのか、番組側は明らかにしていません。パロディアカウント側からは「訂正してお詫びで終了では?」という、事件本体(店主殺害)に戻せ、という声もあります。
整理
・発言者:鳴海達之氏(元神奈川県警捜査1課長、リモート出演)
・番組:ミヤネ屋(9月1日生放送)
・具体的な語:かたわ(身体障害を指す差別的古語)
・文脈:美祢市の和菓子店主殺害事件。頭部を狙われた妻が「普通の生活ができなくなる」ことの説明
・対応:西尾アナと宮根氏が「不適切な表現」として謝罪。単語の再読はなし
・制度:法律上の「放送禁止リスト」はなく、局の自粛基準
伏せた見出しが871万表示になり、Xが単語を補完する。この循環自体が、いまの「不適切表現」報道の型です。被害者の予後を説明する言葉を、蔑称から「重度の後遺症が残る」に置き換えれば済む話ではあった、というのが一番短いまとめです。